荒野の用心犬

そこには 犬と男の姿しかなかった、 このさいはての荒野に、
いつかはこの時が来る事をお互い気づかない振りをしてきた
だけだ、犬の血が、太古から受け継がれてきた狼の血が目覚め
る時が来ただけの、話だ。


もう犬の後は追わない、という
決心が男の拳を握り締めさせた
犬はそれに気づきもしない、
犬に見えているものは果てしなく
続く荒野だけだ、
ただそれだけだ。

どのぐらいの時間が過ぎたのだろ
うか、この荒野ではそれさえも
無意味な事のように乾いた風が
吹き飛ばしていく、その時犬は
男に別れを告げるかのように一瞬
振り返り荒野へと走り去って
いった、それに男の影が重なる
二度と振り向かないと心に誓い
歩きはじめた男だが、
2分と経たないうちに
犬が戻って来た、

この顔で・・・・・。
by nobtee
| 2008-02-07 00:03
| 犬と男

